プロフィール
2008年 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科 卒業
主な展覧会
- 2024年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」(越後妻有地域、新潟)
- 2024年個展「竹内公太写真展~風船の飛んだ先~」(いわき市勿来関文学歴史館市民ギャラリー、福島)
- 2022年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京)
- 2022年個展 「ニューアート・シーン・イン・いわき 竹内公太 浜の向こう」(いわき市立美術館、福島)
- 2021年「『新しい成長』の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」(東京藝術大学大学美術館)
- 2021年「MOTコレクション Journals 日々、記す
特別展示:マーク・マンダース 保管と展示」(東京都現代美術館) - 2020年個展「Body is not Antibody」(SNOW Contemporary、東京)
- 2019年個展「盲目の爆弾」(SNOW Contemporary、東京)
- 2017年「第6回アジア・アート・ビエンナーレ」(国立台湾美術館、台中)
- 2016年個展 「メモリー・バグ」(Arts Catalyst、ロンドン)
- 2015年「Don’t Follow the Wind」(東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う帰還困難区域某所、福島)
- 指差し作業員の代理人として以下の展覧会に参加
- 2022年「JAPAN. BODY_PERFORM_LIVE: Resistance and Resilience in Japanese Contemporary Art」(Padiglione d’Arte Contemporanea、ミラノ)
- 2019年「百年の編み手たち―流動する日本の近現代美術―」(東京都現代美術館)
- 2017年「Japanorama. A new vision on art since 1970」
(ポンピドゥー・センター・メッス、フランス) - 2017年「Invisible Cities」(Dallas Contemporary、アメリカ)
- 2016年「村上隆のスーパーフラット・コレクション」(横浜美術館)
- 2015年「GLOBALE:GLOBAL CONTROL AND CENSORSHIP」
(ZKM、カールスルーエ、ドイツ)
受賞歴
- 2010年「群馬青年ビエンナーレ2010」奨励賞
パラレルな身体と憑依をテーマに、時間的・空間的隔たりを越えた活動を展開する。
時間的な隔たりを越えて…第二次世界大戦中に使用された風船爆弾の行方を追う空撮、郷土史家が撮影した石碑写真の再現、19世紀建造の映画館の解体映像。
空間的な隔たりを越えて…2011年に日本で起きた原発事故に伴う立入制限区域で警備員が制作したフォント、避難者の自宅に残された服を着る写真。建築物、石碑、彫刻、公文書、郷土史家や目撃者のインタビューといった人々の記憶に触れつつ、インターネット地図アプリ、ライブストリーミング映像、ドローンカメラなどの現代的な手段でイメージを追う。
メディアと人間との関係を探りながら、作者自身と鑑賞者の疑似的な共有経験を提供する。
TCAA2021-2023 選考委員長 コメント
今年の選考は、新型コロナウィルス感染症が長期化する中、移動が大幅に制限されたことで、例年以上に難しいものとなった。選考委員の大半は、実際にアーティストのスタジオに行くことができなかった分、オンライン上でのスタジオ訪問やプレゼンテーションに頼る部分が大きかった。TCAAの素晴らしいチームワークと、アーティストたちの辛抱強さと献身的な努力のおかげで、アーティスト各々の活動について、非常に幅広くそして深く調査することができた。
当初からこの賞に関わってきた選考委員と新たな選考委員とが混在する中、選考前の話し合いや最終選考では、非常に活発で建設的な議論ができた。この賞がこれまでどのような位置付けで、どのように組み立てられてきたのか、また今後どのように進めていくかについて反省点や検討すべき点が見つかったが、選考会では、アーティスト一人ひとりについて丁寧に議論することができ、それぞれの意見を互いに思う存分伝え合うことができたと思う。その結果、じっくりと十分な議論を重ねた上での最終決定となった。
今、グローバル化は難題となり再検討される過酷な時期を迎えている。その中でも、TCAAはアーティストがより大きなアートの世界のさまざまな場面に少しでも多くつながることができるように、最大限の努力を続けている。更なる成長を目指して活動を続けているアーティストたちを支援するこの賞は、近い将来きっと実を結ぶだろう。選考委員として、前向きで未来を見据えたこのような素晴らしい取り組みに参加できたことを、大変光栄に思う。
受賞の理由
作家は近年の日本の社会的な事象に応答した作品を制作、発表しているように見えるが、記憶を語り継ぐための方法、マテリアルが有するメディアとしての特質、そしてそれらに対する人々の受動性への関心という点においては一貫性が見られ、個人的および集団的記憶の形成やそれに引き起こされる感情的なインパクトの探求に対し深く関わっていこうとする制作態度が評価された。
今回示された遠隔技術の倫理性を問う新作案は、遠隔攻撃の盲目性をも見据えており、デジタルメディアをとおして与えられる情報への私たちの依存性がますます高くなっている現在、その問題意識は日本固有の文脈を超えて、より多くの人々に共有される可能性を強く感じさせられた。