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展覧会
さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展
さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展
中堅アーティストを対象に、受賞から複数年にわたる継続的支援によって、更なる飛躍を促すことを目的に、東京都とトーキョーアーツアンドスペースが2018年度から実施している現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」。
第3回となる「TCAA2021-2023」受賞者の志賀理江子、竹内公太による受賞記念展を開催します。
第3回受賞者の志賀理江子と竹内公太による本展には、「さばかれえぬ
2011年の被災後、突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉えなおした志賀、第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する竹内。東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。
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《バイポーラー》よりスチル画像 2022
《バイポーラー》よりスチル画像 2022
《バイポーラー》よりスチル画像 2022
《バイポーラー》よりスチル画像 2022
1982年生まれ、福島県在住。
パラレルな身体と憑依をテーマに、時間的・空間的隔たりを越えた活動を展開する。建築物、石碑、彫刻、公文書、郷土史家や目撃者のインタビューといった人々の記憶に触れながら、地図、ストリーミング映像、UAVカメラなどの多角的な視点で、メディアと人間との関係を探る。
展覧会へよせて
戦時中に日本がアメリカを攻撃するため放った「風船爆弾」について、2021年にその着地点のひとつをグーグルマップと米軍の文書記録から特定できました。そして、TCAAの渡航支援でワシントン州ハンフォード・サイト近くのその場所へ行きました。2022年9月には、風船を放った場所のひとつである福島県いわき市で、美術館や博物館にお願いして市民の皆さんと歴史を探る散策会をしてもらいました。海を隔てた人たちとのコミュニケーション手段が発達しても、人類は兵士や爆弾を送ることを止めないことが、連日の報道で伝えられています。いま、かつて風船が飛来した地面を想像して絵を描いています。
《地面のためいき》 2022、インスタレーション 撮影:川越健太
《シューティング(コールドクリーク)》 2022、写真
《三凾座の解体》 2013、映像インスタレーション、33分23秒
《眺めの回収/風船憑依》より「アラスカ州アッツ島」 2022、紙にインク、C-プリント
出展作家による作品解説や、作家に縁のある専門家をゲストに招いたトーク・イベント等を開催します。
[クロージング・トーク]※終了しました
※入場無料・要事前申込
※18:00までにご入館ください
[レクチャー&トーク]※終了しました
※入場無料・要事前申込
※18:00までにご入館ください
[志賀理江子によるギャラリー・トーク]※終了しました
※入場無料・要事前申込
[竹内公太によるアーティスト・トーク]※終了しました
※入場無料・要事前申込/日英逐次通訳あり
※入場無料・要事前申込/日英同時通訳あり
志賀理江子が、自身の運営するスタジオ・パーラー(宮城県遠田郡美里町小牛田)のオープン・スタジオにて、本展関連展示を開催します。
詳細は作家のインスタグラムからご覧ください。
作品画像のほか、作品や制作についての作家の文章、専門家による寄稿を掲載したモノグラフ(作品集)を展覧会開幕に合わせ、作家ごとにバイリンガルで発行します (非売品)。
なお、モノグラフをPDFデータとして本ウェブサイトで公開しています。
イベント参加者のうち、アンケートにご回答の希望者へモノグラフを配布します。
希望者にモノグラフの郵送を行います(送料は自己負担/ 700円程度)。
6月30日(金)までに、メール本文に必要項目をご入力のうえお申し込みください。申込受付後に、詳細を返信メールにてお知らせいたします。
・在庫がなくなり次第終了といたします。
・1名につき各1部の配布といたします。既にお持ちの方は、お申し込みいただいてもお渡しできません。
・お申し込み内容に不備があった際など配布が難しい場合には、ご連絡させていただきます。
件名:モノグラフ郵送申込
①希望モノグラフ:1~3の番号でお答えください。
1. 両作家、2. 志賀理江子、3. 竹内公太
②申込者氏名(フルネーム):
③住所:
④メールアドレス:
2日以上経っても返信メールが届かない場合は、お手数ですが下記までご連絡ください。
※本メール申込では、国内郵送のみ承ります。
海外発送をご希望の場合は、下記までお問い合わせください。
*This application is only available for domestic mailing.
If you would like to ship internationally, please contact us at the following address.
トーキョーアーツアンドスペース「Tokyo Contemporary Art Award」担当
Tokyo Arts and Space Office “Tokyo Contemporary Art Award” team
Email:tcaa_monograph@tokyoartsandspace.jp
2020年6月に公募を行い、選考委員が、公募者を含む候補アーティストを推薦し、議論によりノミネートアーティストを選出。その後、各アーティストの事前調査、オンラインを活用したスタジオ訪問や面接など、対話による審査を経て、2名の受賞者を決定しました。
ソフィア・ヘルナンデス・チョン・クイ(クンストインスティテュート・メリー ディレクター)
住友文彦(アーツ前橋 館長/東京藝術大学大学院 准教授)
高橋瑞木(CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)エグゼクティブディレクター兼チーフキュレーター)
キャロル・インハ・ルー(北京中間美術館 ディレクター)
鷲田めるろ(十和田市現代美術館 館長)
近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペース プログラムディレクター(公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館トーキョーアーツアンドスペース事業課長))
特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ [AIT/エイト]
展覧会へよせて
制作の土台として、この2年間、宮城県美里町にあるスタジオにてさまざまな方を招き、トーク、レクチャー、ワークショップを行ってきました。生活の場でもある制作場所を開くことで、実にさまざまな体験に恵まれ、想像すらしなかった新たな出会いが沢山ありました。
その経験は、2011年の震災後、大きな資本と抗うことが困難な国家の計画に圧倒され続けた、この12年間の復興を、近代の抑圧としてだけ考えるのではなく、どこかではこれまでとは違う角度から考える発想や、さまざまな道、もしくは拮抗するような力が生まれ、それぞれが密につながることがあるという可能性を示唆する営みでもありました。この自らの体ひとつを鏡のようにして、この時間に起こった出来事の蓄積から、展示室へ照らし返すような展示ができればと思っています。