オーストラリア(シドニー)2022.7.11-8.4
シドニー現代美術館(MCA)での展覧会参加に加え、オーストラリアにおける動物と人間の共生や生命デザインのあり方の調査・研究を行った。さらに福祉を視野にいれた調査を踏まえて、実験的な活動を行った。
展覧会参加のほか、動物保護施設の訪問を行うことが本リサーチの一番の目的であったが、施設のほとんどが新型コロナウイルス感染症拡大の対応に追われていることを理由に外部の見学を受け入れておらず、残念ながら叶わなかった。しかし、現地では野生のコアラの追跡調査に同行する機会を得て、コアラの調査をとおしてわかる最近の環境問題など、貴重な話を聞くことができた。シドニーではパンデミック以降、異常気象が続いており、滞在中も雨が降り続いていた。災害大国である日本のようにはインフラが整ってないため、よりダメージも大きいのかもしれない。その関係もあってか、環境や自然をテーマにした展示を多く目にした。
ドイツ、コソボ(プリシュティナ)、イタリア、ポーランド、フランス2022.9.16-10.8/11.4-12.1
欧州各地を横断し、複数の国際展や企画展を視察した。脱西洋中心主義を意識した展示を多く見かけたが、中でも、EUに加盟していないコソボ共和国のプリシュティナで開催された「マニフェスタ14」に存在感を感じた。
イギリス(バーミンガム、コヴェントリー、オックスフォード、ロンドン)2022.10.8- 11.4
イギリスのバーミンガムで開催されたフェスティバル「Fierce Festival 2022」に参加し、展示とパフォーマンス、トークショー、ワークショップを行った。また、同フェスティバル招聘アーティストたちのパフォーマンスの視察やワークショップへの参加をとおして、多くの人と交流を持つことができた。
欧州滞在中に視察した展覧会やフェスティバルでは、自身の制作と関わりの深い、ポスト・ヒューマン、ノン・ヒューマンをテーマとした作品が圧倒的に多く見られた。特に、「Fierce Festival 2022」への参加では、同フェスティバルの主題である動物と人間の関係に焦点を当てた作品やパフォーマンスを間近で体感することができ、非常に得るものが大きかった。長期の欧州滞在という初めての経験に、文化や言語の違いで困惑する場面も多かったが、その不自由な状況を自身が動物になったという視点で捉えて、人から助けてもらうこと、人と何かをシェアすることの喜びを意識しながら楽しむことができた。現在、この経験を踏まえた新作を制作している。