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ACTIVITIES OVERSEAS

呉 夏枝

大阪2024.6.28-6.29

大阪コリアタウン歴史資料館では地域の歴史に特化した展示を見学し、収蔵書籍を閲覧した。コリアNGOセンターでは事務局長とも面会し、済州島4.3事件に関する活動の報告会に参加。事件にかかわる歴史や地域について情報収集を行った。
大阪では、関連する場所や出来事の情報だけでなく、その歴史を受け継いでいく取り組みについて知ることができた。

  • 大阪コリアタウン歴史資料館

  • 大阪コリアタウン歴史資料館

  • コリアNGOセンター

兵庫2024.7.2-7.4

神戸市図書館の青丘文庫は、朝鮮史を研究していた方の私設図書館から寄贈された日朝韓に関する歴史、法律、文学などについての書籍、文献を収蔵しており、済州島、在日朝鮮人、済州島海女、済州島民謡の書籍を閲覧した。滞在日数に限りがあり、関心のあるトピックについて詳しくリサーチすることは難しかったが、次回の制作だけでなく、今後のリサーチにもつながる良い機会となった。

  • 神戸市立中央図書館 青丘文庫

  • 神戸市立中央図書館 青丘文庫

  • 神戸市立中央図書館 青丘文庫

長崎(対馬)2024.7.6-7.9

対馬での滞在は、海女(特に済州島海女)にゆかりのある港を中心に、対馬と朝鮮半島に関連する場所を訪問した。また、作品制作のための撮影も行った。対馬博物館では、展覧会ならびに準備中の展示を見学させてもらい、学芸員から、対馬の済州島海女や済州島の海女博物館に関する情報をいただいた。

  • 対馬

  • 対馬

  • 対馬博物館

今回のリサーチで訪問した大阪・兵庫では、報告会や資料など、多くの情報に触れるとともに、在日をふくむ日韓の市民によって運営されていることを再認識する機会となった。対馬では天候の影響などにより、作品のための撮影が思うように進められなかったことは残念であったが、海女にゆかりのある風景を体感できたことは今後の制作において重要な経験となった。また、対馬博物館で展示準備中の作家や、博物館の学芸員と出会うことができ、お二人から対馬の済州島海女の話や済州島の海女博物館についての情報をいただいたことは、とても素晴らしい出会いだった。
来年に予定している済州島でのリサーチでは今回得られた資料や情報をもとに活動したい。

長崎(対馬)2025.2.21-3.1

2024年7月の対馬でのリサーチ時に情報をいただいた対馬博物館の学芸員を訪問。その方とともに、済州島にルーツをもつ対馬在住の海女のご家族を訪問し、海女であったお母さまにまつわる記憶を聞くことができた。また、そこで現役の海士を紹介してもらい、船や道具を見せてもらった。翌日以降は、済州島海女の人々が暮らしていた場所や漁をしていた浦や港を案内していただき、作品制作のための撮影を行った。また、済州島海女を撮影されていた写真家と面会することができた。最終日には、済州4.3供養塔とその建立にまつわる場所などを訪問。地域の方に供養塔についての話を聞かせていただいた。

  • 海女のご家族が経営する民宿

  • 素潜り海女が使うテンマ船

  • 漁で使う道具

  • 漁で使う道具

  • 上対馬町琴の港

  • 鳥居の階段を降りて磯場へ

  • 済州4.3供養塔

2025年2月~3月はTCAAの海外活動として済州島でのリサーチを予定していたが、2025年4月に済州島南部に位置する加波島のレジデンス・プログラム(Gapado Artist in Residence)への参加が決まったことから、計画を変更し、2回目の対馬訪問が実現した。

1回目のリサーチでは、学術書などを参考にゆかりの場所を訪れ、撮影したが、今回は、関係者の方に実際にお話を伺った。居住していた地域を案内していただき、場所にまつわる話や、記憶を聞かせていただけたことで、より具体的な情景が想像できた。海女のご家族が経営されている民宿に数日間滞在し、自己紹介もしながら対話し、和らいだ時間を共に過ごせたことは、何にも代え難い経験となった。今回の滞在中に出会った方々のおかげで、具体的でひろがりのあるリサーチができ、今後の活動へとつながる経験となった。

テキスト・写真提供:呉 夏枝
編集:トーキョーアーツアンドスペース